事案例:定年後の再雇用について

Q.当社はサーバーの構築や、通信環境のサポート、各種通信機器の販売とメンテナンスなどを携わっている通信会社です。ITや電機産業業界で働くには、体力も脳力も必要なので、できるだけ従業員の平均年齢を抑えたいです。しかし、60歳の定年年齢になっても、まだ働き続きたいと言う従業員がいます。再雇用拒否はできるでしょうか?

A.2013年4月から「改正高年齢者等雇用安定法」の施行によって、雇い主(企業)には、定年退職制度の廃止 ・定年年齢の65歳までの引き上げ ・再雇用制度のいずれかを実施することが義務づけられています。

「定年後再雇用拒否」を法廷に

2011年11 月29 日に、最高裁(第1小法廷)は、定年後の再雇用を拒否された労働者は、継続雇用の基準を満たすため、定年後も雇用の継続を期待する合理的理由があるとして、解雇法理を類推適用して雇用関係の存続を認め、会社側に雇用の存続と賃金の支払いを命じました。

これは、平成18 年4月に高年齢者雇用安定法(高年法)が改正された後での再雇用拒否事件で、初めて最高裁による判断が示されたことです。

この事件ではJMIU(全日本金属情報機器労組)津田電気計器支部(大阪府箕面市)に加盟している3名全員だけが再雇用を拒否されました。このため3名は、社員としての地位確認と賃金の支払いを求めました。2010 年9月の大阪地裁、2011 年3月の大阪高裁のいずれも労働者側の主張が認められました。

会社による恣意的な再雇用基準の運用は認められない

本件では、労働者側の雇用継続希望に対して、会社側は仕事ぶりを点数化して、社内の評価基準を満たしていないことを理由として、61歳を迎えた2009 年1月以降の再雇用を拒否していました。

裁判所は、この会社の対応を不妥当とし、「男性は社内の基準を満たしており、再雇用しないのは合理的な理由を欠く」と述べ、不当に低い評価をして再雇用を拒否したのは違法だと判断しました。

65 歳まで段階的に雇用義務化

2013年4月より「高年齢者等雇用安定法」が改正され、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給開始年齢が平成25年度(2013)から平成37年度(2025)にかけて60歳から65歳へ段階的に引上げられることになりました。

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